男性彫刻 コレクションによる小企画
20世紀初頭から1940年代にかけて日本で生み出された、男性をかたどった彫刻を紹介します。会場は3つのコーナーに分かれます。右に進んだ広いスペースには、筋骨隆々の男たちが並びます。「強い男」の一群です。その奥に続くのは肖像彫刻を中心とする作品たちです。「賢い男」と言っていいでしょう。さいごの部屋には主に老人像を並べています。「弱い男」です。それぞれのコーナーには、男性への同じような視線をもつ絵画も一緒に展示しています。
個々の作品は、石膏像を所蔵するものはあえてそちらを選びました。石膏像は色が塗られていればまだしも、白いままだと汚れて見えますが、作家が粘土で作った像から直接型をとって作られただけに、そこからさらに型抜きしたブロンズ像よりも細部の工夫を忠実に伝えます。
あらゆる表現は、時代や社会の価値観と無縁ではないと言われます。いわゆる「男らしさ」もそう。彫刻家たちはそうした価値観を利用して、西洋で王道だった裸体彫刻を日本に根付かせもし、逆にそれに縛られもしました。そんなことも考えあわせながら、男性彫刻の魅力を見ていきましょう。
たぶん順路を間違えて初っ端に「弱い男」から見たakix.icon
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https://gyazo.com/67746db97c148864119e0f127e6e2fcc
伝五郎老人
「男性彫刻」のコーナーに入って最初にインパクトを受けた作品
モデルは90歳の老人らしい
この世代の男性が裸像の題材になってることを見たことがないのでなかなか衝撃的だった
https://gyazo.com/d7e11a2a6100b0e194e64712354d0a8c
たよりなき身
あまりにも苦しそうな表情をしていて見ているこっちの息が詰まるような作品だった
https://gyazo.com/910525cad775623dae82630cd1b8ab81
文覚
解説文によると、文覚は平安時代末期の僧侶らしい
美人で人妻の袈裟御前に懸相して殺してしまったらしい
その後、那智の滝に打たれる荒行を重ねて強靱な肉体と精神力を身につけたらしい
解説文を読んだ後だと、そんなドヤ顔されても困る…という気持ちになる
https://gyazo.com/b71281384e26ce181909d9511777a50b
怒濤
長崎の平和公園にらう「平和祈念像」の作者が若い時の出世作
漁師という設定らしい
武骨な肉体に飄々とした顔が寄らば大樹の陰という気持ちにさせてくれる
https://gyazo.com/530287765d29fac30d8076c7f3d02bc6
南風
中央の人物だけ体がバキバキですごい
解説文読むと、教科書通りの肉体美を理想化して描いてるという説があるらしい
https://gyazo.com/3da6541ae4195bf3fefe6af7008c944a
https://gyazo.com/0ca7c70d51ef5b7b166a3dd511b95334
値千金
大正時代の文部省のラベルが貼りっぱなしで興味深い
ラベルにばかり目がいってしまい、作品はよく見てなかった
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感想
男性彫刻と聞いてギリシャ神話的なコテコテな石膏像がたくさん出てくるのかと思いきや、順路を間違えたこともあり初っ端から全裸の老人だったのでなかなかに衝撃的だった
女性の裸婦像などが街中や美術館に設置されることは多いが、男性の彫刻だけを見るような機会は珍しいなと思った
ダビデ像とか男性の裸像もあるけど、企画対象になることは珍しいように思う
この展示会を見た後にこのYouTube動画を見て、半年後ぐらいに突然気づくという
https://gyazo.com/523dd0f1a888133f2eb076100eebc2a9